忘れないようにしようと、ひとつひとつの物や、景色やに触れて思う。

別の場所で、違う姿で、違うかたちで、違ういのちのありようで出会ったときに、思いだせるように、忘れないようにしよう。

 愛した人たち、愛したものたち、どうか忘れませんように。

忘れてもいいのよと、耳元でおだやかな風のようにだれかが言う。

忘れてもいいのよ、忘れていたって出会えばまた、どうしたって愛してしまうのだから。